【事例あり】積丹で実績のある「サクラマスジギング」のテクニックと考え方
3月から5月にかけて、積丹半島は「サクラマスジギング」で賑わいを見せる。徐々に釣果情報が出ると、平日でも遊漁船の予約が埋まり始めるほどだ。そんなサクラマスジギング、釣れない人は1匹も釣れないこともあり、悔しい思いをした人も少なくはないだろう。
「せっかく積丹まで来たのだから、確実に釣って帰りたい」と誰もが思う。確実に釣れる方法はないが、サクラマスジギングでの「釣り方」や「考え方」を、知っているのといないのとでは釣果に雲泥の差が出る。
この記事では、サクラマスジギングで釣る確率を上げるテクニックや考え方を、事例をもとに紹介していく。もちろんこの方法は、積丹以外のフィールドでも有効だ。紹介する内容を参考にして、ぜひ釣果につなげてほしい。
Contents
サクラマスジギングは上層を探る釣りが基本
まずはサクラマスジギングの基本をおさえよう。サクラマスジギングは、その時の状況に応じた「タナ」を意識することが最も大切と言っても過言ではない。
タナとは魚が泳いでいる層のことであり、サクラマスのタナは「水深5〜20m(さらに深い場合もある)」と言われている。そのため、誘うべきタナも必然的に5〜20mと、比較的上層を狙った方が釣れる確率は上がるのだ。
もちろん「水深が深いタナでは釣れない」とは一概に言い切れない。しかし、ほとんどのサクラマスは、タナの浅い上層で釣れている。実績の出ている釣り方を真似する方法が、一番の近道であるのは明らかではないだろうか。
上層を狙う上で覚えておきたいこと
ここで1つ覚えておきたいことがある。それは、サクラマスのアタリがなければ、「ホッケが釣れるタナ」を探すのも有効な方法であることだ。
理由は、ホッケのタナがサクラマスと同じことが多いためだ。実は、ホッケの餌となる「オオナゴ」という小魚は、サクラマスの好物でもある。
そのため、サクラマスを狙うタナでは、しばしホッケ祭り状態となることが多い。ホッケ祭りは悪いことばかりではない。小さなホッケはサクラマスの餌にもなるため、ホッケの釣れていたタナで反応がなくなった時がチャンス。いかに集中力を高められるかが重要だ。
「釣らせる船」で有名な第十五龍祥丸船長・飯田浩紀さんは「ホッケが釣れなくなったらマスが来る」と言う。サクラマスがホッケを捕食しに来ると、ホッケは逃げてしまうことが由来しているのだろう。
9m〜15mのタナでサクラマスがヒット!
実際に積丹沖でサクラマスを釣った、サクラマス初挑戦のダイワスタッフ秋丸 美帆さんと、ダイワスーパーフレッシュアングラーとして活動する千葉 百々絵さんの事例をもとに、どのようなテクニックを使っているのかを見ていこう。
今回釣果の出たタナは、どれも上層の9m〜15mの間。やはりサクラマスは上層のタナを回遊しているようだ。初挑戦の秋丸さんに、千葉さんがアドバイスしたテクニックは以下の2つ。
- 「15m」までジグを落とし、そこから約7mまでスローピッチであげてくる
- 一定のタナでリールを巻かずに誘う「ヨーヨー釣り」
開始早々、秋丸さんにサクラマスがヒット。「本当に上(上層)で釣れるんやね」と、驚きを隠せないでいた。しばらくして千葉さんにも大きなアタリがあり、60cm・3.66kgの大型サクラマスを釣り上げる。その後、千葉さんが1尾、秋丸さんが2尾をキャッチ。
いずれも上層でのヒットだった。何も反応がない時は7〜15m付近のタナを探るが、反応があればそのタナをキープできる「ヨーヨー釣り」をすると釣果に繋がりやすい。ぜひ試してみてはいかがだろうか。
あると便利なカウンター付きのリール
余裕があれば、探る水深を把握できる「カウンター付きのリール」を用意すると便利だ。水深を把握するカウンターがあることで、「今何mのタナを探っているか」が一目瞭然でわかる。
カウンターがなくても系の色で把握することもできるが、一目見れば把握できるカウンターが圧倒的に便利なのは言うまでもない。それに初心者には糸の色で把握するのは、難しいだろう。
今回2人が使用したリールはダイワの『キャタリナIC 150SH』。液晶画面には水深に加え、巻きスピードも表示される。巻きスピードがわかれば、サクラマスがヒットしたスピードに合わせて調整できるため、パターンをつかみやすい。
「タナ取り」がサクラマスジギング成功の鍵
サクラマスジギングは「タナ取り」が鍵となる。サクラマスジギングの基本テクニックは「上層のタナを探る」こと。この方法は積丹以外でも、サクラマスジギングすべてに通用するので覚えておこう。
今回の舞台となった積丹半島は、釣りはもちろん、「岬の湯しゃこたん」という温泉があることでも知られている。露天風呂から見る積丹岬、神威岬はまさに絶景。
また、夕暮れ時に、空と海が茜色に染まるシーンは、積丹ならではの感動を覚える美しさがある。釣りで冷えた体を、景色の綺麗な温泉に浸かって癒され、釣り旅の締めを飾ってみてはいかがだろうか。