【朱鞠内湖イトウ釣り】S字系ビッグベイトで4尾釣る!
本州で絶大な支持を得ているビッグベイトだが、北海道で使っている人は少ない。
その可能性を探るために、ビッグベイトブームを牽引してきた、ルアーメーカー、ガンクラフトの平岩孝典さんが、北海道の朱鞠内湖でイトウ釣りに挑んだ。
この記事では、S字系、ビッグベイトといった要素に朱鞠内湖のイトウがどんな反応を見せたのかをレポート。
2日間で4尾のイトウを釣り上げた様子を紹介する。
Contents
S字系ビッグベイトはアピール度が高い
2000年代、本州におけるブラックバスシーンでビッグベイトブームが巻き起こった。程なくして、大型のバスに効果的なタクティクスのジャンルとして定着していった。
大型魚を反応させる能力、釣り人側の視覚的な刺激の強さ、操作する楽しさなどから、ビッグベイトをメインとするアングラーも少なくはない。
しかし、S字系ビッグベイトの定番である「鮎邪ジョインテッドクロー178」の178cm、2オンスクラス(約57g)というサイズは、いつもタックルのローテーションに加えるのは難しく、別のタックルが必要。
これがネックだったのか、ビッグベイトが北海道で大きな広がりを見せることはなかった。
しかしここへきて、ビッグベイトブームを牽引してきたルアーメーカー「ガンクラフト」が、S字系の元祖とされるジョインテッドクローに、ダウンサイジングモデルの70cmを追加。ウエイトはフローティングが4.1g、シンキングが4.6g。これならいつものタックルのローテーションに加えることができる。
使用したアングラーは、北海道ではあまりポピュラーではなかったS字系の動きを目の当たりにし、アピール度の高さを実感した。
振れ幅の大きいS字系アクションは、トラウトの視界から見え隠れするような動きをし、視覚的にアピール度が高いと言える。さらに、リップ付きのルアーとは違う、ポイントや操作によって常に変わる独特の波動が、魚類の敏感な感覚器官である側線に訴える。
これらにアピール力は、ルアーのサイズに比例して大きくなる。ビッグベイトが注目されているのは、それらの複合的なアピール力の高さにあるのだ。
開始30分ビッグベイトでイトウ釣る
朱鞠内湖のイトウ釣りは、一般的なエリアは夏場は休止される。それは、水温上昇のためである。
しかしながら当然、イトウがいないわけではなく、釣り人の手が届きにくいところへ移動している可能性がある。
そんなアプローチが難しいスポットへ、人数限定で案内してくれる、NPO法人「シュマリナイコワールドトレードセンター」が行う「プライベートガイドツアー」がある。
厳格なルールとガイドの指導の元行われている。
今回は、そのツアーを利用し、ジョインテッドクローの生みの親「ガンクラフト」代表 平岩 孝典さんと、スタッフの岩本佳之さんがは初めて来道し、ガイドの西岡文弘さんの同行のもと、イトウ釣りに挑んだ。
7月下旬。
全道的に少雨と高温に見舞われ、朱鞠内湖も同様、例年よりポイントの選択肢が限られる状況であった。
「ポイントの選択肢が限られ、その分例年よりプレッシャーが高くなっている」
「食わせるところまで持っていくには、ルアーは小型の方が良いかもしれない」
シビアな釣りが予測されたが、平岩さんがそんな状況でも迷わず「ビッグベイト」を結ぶ。
最初に選んだルアーは「鮎邪ジョインテッドクローシフト183」
ボートでゆっくり移動しながら沖から岸側を狙うスタイルで状況を探る。
釣り始めた30分で、いきなりヒット!!速めのリトリーブ後、スローなS字に切替得た瞬間だった。
これはシフトが得意とするヒットパターン。
平岩さんは冷静に寄せ、西岡さんがスムーズにネットイン。約18cmという、驚きのサイズのルアーが、開始早々70cm級のイトウを当てた。
「鮎邪ジョインテッドクロー178」180mmクラス、2オンスクラス。
何度も仕掛けを見に来るイトウ。反応せずにはいられない様子
ボートを降り、ウエーディングで狙ったポイントで2尾目がヒット!
使ったルアーは1尾目を釣り上げたものと同じ「鮎邪ジョインテッドクローシフト183」。
ここではまず、手前側のシャローゾーンをただ巻きのS字アクションで通した。
ステップとして、活性の高い魚から狙っていくのがセオリー。
ジョイクロのS字アクションは、遠くの魚も反応させることができる。
高活性の魚がいれば、シャローに出てくるはず。
狙い通り、何度か追いはあったがバイトには至らない。
ここで平岩さんは、ウエイトのバランスを調整するシールやスティックタイプのシンカーを使い、アクションに変化を与えた。
一般的なシーンでは、2度目、3度目のチャンスを演出するのは容易ではない。
しかし、ジョイクロの場合、アングラーの操作次第で多様なアクションを演出でき、見切られやすい単調なアクションになりにくい。
何度も見に来るその光景は「反応せずにはいられない」といった感じ。
結局、シャローエリアではヒットに至らなかった。
日中の釣りは厳しいという西岡さんの判断で、風景を楽しんだ後、太陽が傾き、日陰になった深場で、速巻きからスローに移行した瞬間、水面が炸裂。
3尾目もまた、「鮎邪ジョインテッドクローシフト183」で釣り1日目が終了。
日本の至宝、102cmのイトウ現る
2日目は朝イチのみ。
前日は撮影していた岩本さんもこの日はロッドを手にする。
追いはあるが、バイトに至らない場面で、スティックタイプのシンカーをスナップに付ける、通称「鼻水リグ」を試した。
フローティングタイプをスティックタイプのシンカーで沈めると、鼻先をボトムに付け、ボディーは揺らめいてアピールする。
平岩さんのアドバイスにより、ノンストップのスローでズル引いてみた。
その一投目、なんと複数尾が反応し、最後に現れた最も大きい一尾が他魚を蹴散らし、ジョイクロに襲い掛かった。
メーターオーバー、102cm。
岩本さんは初めての北海道で、朱鞠内湖を訪れると誰もが夢見る、この上ない瞬間だった。
ビッグベイトで北海道イトウ釣りの可能性は十分あり
今回、4尾の釣果は全て「鮎邪ジョインテッドクローシフト183」だった。
ビッグベイトに見慣れない道内のアングラーには意外であり、これは驚きに結果と言えるかもしれない。
しかし、朱鞠内湖のイトウねらいにおいては、効果的なタクティクスであることを見事に証明してくれた。
道内には、朱鞠内湖以外にもイトウをねらえるフィールドがあるので、きっとそこでも可能性はあるだろう。
まとめ
道内ではまだ使う人が少ないビッグベイトでのイトウ釣り。今回は2日で4尾のイトウがヒットした。
バイトを持ち込めず悔しい思いをしたあの魚に、この記事を参考に再び挑戦してみて欲しい。
▼最後にイトウ釣りにおける注意点も参考にして欲しい▼
少雨、高温に見舞われた今夏、道北の猿払川で高水温による酸欠などの、イトウが大量に死んでいるのが見つかった。イトウの保護に取り組む「猿払イトウの会」は今夏、夏季のイトウ釣りの自粛を釣り人に要請した。
このような自体は今回がはじめて、温暖化が語られる昨今、今後も同様の現象は起こりうる。リリースが困難になるほどの高水温時は、どこでも釣りを控えたい。
道外から訪れる人も、ガイドの指示に従うなど、慎重な対応を心がけていただきたい。
北海道の釣り総合誌ノースアングラーズでは、北海道の海釣り情報を幅広く取り上げている。
Abema TVでもノースアングラーズの番組を観ることができる。
ぜひご覧あれ!