北海道のフライフィッシャーがおすすめする【マルチピースフライロッド】のメリットを解説
マルチピースフライロッドとは、複数の節を連結させたマルチピース構造のフライロッドである。
かつては2ピース連結のフライロッドが主流だったが、昨今では3~4個のピースに分かれたものが一般的だ。
ルアーロッドに比べると以前からマルチピースが普及しているフライロッドだが、旅行の際はもちろん、普段使いでも利点は多い。
実際に使って感じたメリットを北海道のフライフィッシャー佐々木さんが紹介してくれた。(写真・文/佐々木大・釧路市)
Contents
マルチピースフライロッドのメリット① 登山ザックにすっぽり収納
アングラーの中には、登山や沢登りを楽しんでいる人もいるだろう。
「登山道の脇を流れる川を釣りたい」、「沢登り中にある深みや滝壺にキャストしたい」
そんなチョイ釣りにおいて、登山ザックに入れても邪魔にならないマルチピースが重宝される。
マルチピースフライロッドのメリット② 家族キャンプで偽装
オートキャンプや家族連れで楽しむキャンプでは、その荷物の量ときたら夜逃げ並。
そんな大荷物のなかに長いフライロッドはスペースも気になるが、「また釣りする気?」と言わんばかりの家族の目もある。
その点、マルチピースならテントの収納バッグにコソッと忍び込ませるのは容易。「釣りしませんよ♪」アピールが可能になる。
マルチピースフライロッドのメリット③ 軽自動車にも簡単収納
最近の軽自動車は本当に広くなったが、悪路での走破性が高いジムニーが愛車というアングラーは多い。
この手の車で困るのは積載スペースの確保。2本継ぎのフライロッドだと助手席側までロッドケースを斜めに差し込んで積載しないといけない場合がある。
その点、4本継ぎ以上なら、ちょっとした隙間に置いておける他、車中泊するときも邪魔にならない。
マルチピースなら寝床のすぐ脇にロッドという不安感がなく、軽自動車を所有するアングラーにも好まれている。
マルチピースフライロッドのメリット④ 車上荒らしにあいづらい
最近よく耳にする車上荒らし。車に積んであるロッドケースに反応して犯行に及んだケースもあると聞く。
私も以前、湖で釣りを終えて車に戻る際、不審な男が私の車を覗き込んでドアをいじっていたことがあった。そのときも長いアルミのフライロッドケースを積んでいた。
アルミの長いロッドケースは車に積まないという方もいるが、布袋だけに入れて車に積むと「破損しやすそう……」という意見も。
そんな悩ましい問題を打開するため、車に積んでも存在感のないマルチピースを選択しているフライフィッシャーがいる。
マルチピースフライロッドのメリット⑤ パートナーにバレづらい
妻子持ち、パートナーがいるアングラーのなかには、「購入したロッドを自宅に持ち帰るのは至難の技」と言う方がいる。
仮に奥さんの目を盗めたとしても、観察力の高い子どもは見逃さないらしい。
「お父さん、また見たことないサオを持って帰ってきたよ」
そう告げ口されたら完敗だ。仕舞寸法が1m以上ある2本継ぎのフライロッドは、釣りに興味のないパートナーでも「あれ、なんかサオ増えた?」と感づかれやすい。
ちなみにサオを購入して自宅に持ち帰る際は、いつも持ち歩いているバッグに入れておくと怪しまれにくいんだとか。
マルチピースならバッグに入り、釣り部屋にあっても目立たない。家庭を壊さないための選択でもある。
マルチピースフライロッドのメリット⑥ 折れたときの出費が少ない
原則ロッドは「ドアに挟んで折った」、「転倒して折った」などの不注意による破損は保証対象でない場合がほとんど。
そのため、釣りをして振っていて折れた以外は保証対象外といわれても仕方がない。直る直らないの以前に、釣りの最中にロッドを破損して帰路につくのは一番悔しいこと。
では、保証書が使えなかった場合、実費修理で直すといくら掛かるか。
たとえばサオの価格が5万円だとして、2本継ぎロッドのサオ先が折れた場合は2万5千円以上掛かるが、5本継ぎのサオ先が折れた場合は1万円ほどで済む場合が多い。
メーカーによって異なるが、万が一のときに出費を軽減できる利点もある。
マルチピースフライロッドのメリットorデメリット⑦ 実は折れづらい?
これほど普及した今でも「マルチピースは折れやすい」というイメージを持っている方がいるようだ。もし本当に折れやすいのならデメリットになる可能性がある。
しかし、結論からいうと私が使った感覚では、
継ぎ数が多いことによる折れや弱さは全く感じない。
おっかなびっくり浅く差し込んだジョイント部が、振っている最中に緩んで抜けたり、フッキング時に負荷が掛かって折れるなど人的ミスが大半だと思う。
たまに継ぎ目が抜けかかっていないか、休憩時に確認するかしないかで破損のほとんどを防ぐことができ、本来の特徴である折れにくさを発揮できるだろう。とにかく継ぎ目の確認を忘れずに。
まとめ
この記事では、マルチピースフライロッドのメリットを紹介した。
意外なところでメリットを感じてもらうことができるだろう。
実はほとんど折れにくくなっていることも高評価できるので、ぜひ一度使用を検討してみて欲しい。
また、河原の草木が生い茂り、藪を漕いでポイントに行くしかない状況でも使用できる。
「サオがコンパクトになると歩きやすいのでは?」、「釣りをする前に破損する心配がないのでは?」と少しでも感じるなら、メリットの高いマルチピースを選択していただきたい。
今年も私はまだ見ぬ秘境を求め、道なき道をマルチピースロッドで突き進む!
今回使用したタックル
今回使用したロッドはフェンウィック『イエローグラスⅢFF713-6J』、リールはアリハート『マッハ0』。
ラインはサイエンティフィック・アングラーズ『プロフェッショナル ヤマメDT3Fピンク』であり、仕舞寸法は40㎝未満の39㎝!
このコンパクトさは自転車やバイクを相棒にするフライフィッシャーにうれしい。
マルチピースのフライロッドであれば不自然な曲がりや破損の心配がなくなったのも心強いポイントだ。
リーダー&ティペット
今回はこのようリーダー ティペットで美しいオショロコマの釣果がありました!
オショロコマねらいでは7.5ftくらいのリーダーが扱いやすい。
ニジマスの可能性がある渓流では3Xまで用意している。
リーダーが短い分、ティペットはしなやかなタイプを選択。
今回使用したのはは次のようなリーダーとティペット。
- バリバス『テーパードリーダースタンダード7.5ft 3X』『同4X』『同5X』
- ティムコ『フィネスリーダー8FT3X』『同4X』『同5X』
- ティムコ『フィネスティペット4X 50m』『同5X 50m』
フライラインとリーダーはブレイデッドループを介してループtoループで接続。リーダーとティペットはトリプルサージャンズノットで接続。
ティペットとフライはクリンチノットで結んでいる。おかげで美しいオショロコマの釣果があった。
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