お手軽海釣り入門!余市でワームを使ってカレイを釣ってみた
近年じわじわと人気が高くなっているワーム(人工エサ)を使ったカレイ釣り。充分にねらって釣れることから、ひそかなブームになりつつあるようだ。ワームでのカレイ釣りの魅力は、何といっても手軽さだろう。
いわゆるロックフィッシングスタイルと呼ばれる8フィート前後のロッドに、シンカー、フック、それにワームがあれば楽しめるので、初心者でも気軽に始められる。
夕方からカレイ釣りをスタートし、同じタックルで夜にロックフィッシュやイカをねらうことも可能だ。これからの時季は寒さが和らぎ、のんびりと釣りができる。
余市町の釣具店『プロショップかわぐち』に勤務する山田翔一さんは、3年前からワームでカレイをねらっている一人。
特に4~6月は30cmを超えるマガレイが釣れることから、仕事帰りに日が暮れるまで釣るのが日課になっているとか。
「この釣りは生エサが苦手な人でも大丈夫。食わせる難しさはありますが、そこが面白いところ。カレイは食べて美味しく、いろいろな料理ができるので家族にも好評です」
4月中旬、そう話す山田さんに同行した。
アワセのタイミングが重要
この日訪れたのは余市港の南防波堤。釣りの準備を始めたのは太陽が西の山に隠れる寸前の午後6時過ぎ。日の入りは6時20分。暗くなる7時少し前までがチャンス。
釣果重視だと中防波堤(甲・乙防波堤)から外海側を探るとよいそうだが、「移動時間がもったいないので」と、車の近くからエントリーできる南防波堤を選択。5分ほどで準備を済ませ、早速スタートする。
山田さんが手にしているロッドは8フィート2インチのソリッドティップのアジ&メバル用。遠投も可能な長さに加え、
「1~24gという幅広いルアーウエイトにひかれ、カレイに絶対いいと思って選びました。この長さと硬さにもかかわらず軽く、ソリッドティップのおかげで食い込みもグッド。それに感度もバッチリなんです」
まずは9gのシンカーに、#4フックのフリーリグで開始。
ワームは『パワーイソメ極太』をチョイス。アピールを重視し、切らずにそのまま使用する。山田さんの誘い方は次のとおり。
沖に向かって遠投し、着底後は15秒ほどようすをみる。それで反応がなければ底をズル引くようにゆっくり3回転ほどハンドルを巻き、再び15秒ほど待つ。これを繰り返すが、アタリのタイミングによってフッキングを変えるという。
巻いているときにアタリがあった場合は、そのままゆっくり巻き続け、ロッドに重さが乗ってきたタイミングでスイープに合わせる。それで重たければフッキングしているので、そのまま寄せてキャッチ。
一方、軽くなったのであれば、ワームの端をくわえただけの可能性が高く、フッキングしていないことを意味する。とはいえ、まだフックに触れていなければ、追い食いしてくることもある。ラインは巻き取らず、そのまま少し待ってみる。
ストップ中に反応があった場合は、あわてて合わせるとスッポ抜けることが多い。そのため、ロッドティップ送り込むようにして、ラインを少し緩めてようすをみる。旨み成分配合のワームだと離されることは少ない。
しっかり食い込むまで待つほうがキャッチ率は上がる。フックまでくわえこんでいれば、バタバタと暴れだす。そのタイミングで鋭くロッドを煽ってフッキングに持ち込む。
3種のテクニックの使い分け
他の誘い方としては、タダ巻き、ストップ&ゴー、リフト&フォールなど、ロックフィッシュと同じような感じ。
共通していえるのは、巻いているときやリフト時のようにワームを動かしている際にアタリがあったら、そのまま止めずに重くなるのを待つこと。一方、ストップやフォール中なら、食い込むのを待つとフッキングが決まりやすいようだ。
タダ巻きのコツは、シンカーの重さによりリーリングスピードを変えること。底から20cm以内をトレースさせるのが理想で、途中で止めてすぐに着底するスピードを意識して巻く。軽いシンカーを速巻きすると浮き過ぎてしまい、重いと底をズル引いてしまいがち。
ストップ&ゴーはタダ巻きの途中に巻くのを止め、一旦着底させる。着底後に3~5秒待ってリーリングを再開。3~5秒待つのは、シンカーが着底した後、遅れてワームが着底するため。リーリングはシンカーがしっかり浮き上がるスピードで、山田さんの場合はハンドル5回転ほど。
リフト&フォールはロッドを水平に構えた状態から12時の位置まで立てていき、シンカーを高く持ち上げるイメージで行なう。持ち上げた後は、ロッドを元の位置に戻しながら、弛んだラインを巻き取る動作を繰り返す。ラインを張った状態で行なうとカーブフォール、ラインスラックができているときはフリーフォールになる。
試行錯誤する面白さ
初日はスタート時間が遅かったのもあり、ニシンとカジカだけだった。
翌日は15分早く始め、30cmを超えるマガレイが3尾、小型が4尾釣れた。
この原稿を書いている4月下旬現在、余市港は好釣を維持している。条件がよければ、日没前後の1時間で1~3尾はキャッチ可能だろう。アタリはその倍以上あるはず。ところで、山田さんはワームの長さなどをいろいろ試している。
「最初は半分に切ってみたりしましたが、フッキングがよくなったとはいえません。むしろ、通常の長さのほうがアピール力は大きく、アタリが多い気がします。今はカットしていません。また、ジグヘッドでもやりましたが、オモリが直接フックに付いているせいか、吸い込みが悪いようでいまひとつ……。ただ、ダートアクションやキビキビした動きを出せるので、アピール力は大きいでしょう」
余市港は例年、ゴールデンウィーク前後がカレイのハイシーズン。昨年は6月でも良型がポツポツと釣れていた。皆さんもぜひ、チャレンジしてみよう。
おすすめのアイテム
バッグはシマノ『ランガンレッグバッグWB-022R』ドレイニングブルー。「仕事帰りのちょい釣りで、ケースや小物を入れるのに便利。太腿に固定するタイプなので、釣りの動作の邪魔にもなりません」
山田さんの仕掛け
天気が悪くて釣りに行けないときに考えたという仕掛け。カレイバリ13号にハリス(フロロカーポン2号)の長さは10cmほど。ビーズを3個と夜光パイプを通してスイベルを結ぶ。シンカーを通したリーダーとスイベルを接続して完了。写真のシンカーはダイワ『ツーウェイシンカー』
こちらは仕掛けを使わないセッティング。フリーリグで、フックはオーナーばり『カルティバB-51 リギングフックファインワイヤー』#4、シンカーは9~21gを使用
実績ワーム
山田さんは多用するのは、マルキユー『パワーイソメ極太』。カラーは東北レモンとサクライソメがお気に入り
使用タックル(山田さん)
ロッド:ラグゼ 宵姫 華S82H-solid(がまかつ)
リール:アルテグラ2000(シマノ)
ライン:ピットブル 4 0.5号(シマノ)
リーダー:フロロカーボン6lb
※新型コロナウイルス感染拡大の影響で、釣り自粛の要請が出されているケースがあります。釣行の際は各自治体の指示に従ってください。